先日行きつけの温泉の休憩スペースで、見たところ70代くらいのおじいさんに話しかけられました。
つけっぱなしのテレビからはちょうど「変なウイルス」と「消費の停滞」についての話題などが放送されていて、やおらタヌの方へにじり寄ってきたかと思うと、したり顔でこういうのです・・
「一時給付金をばらまいたんだから・・消費税増税は待ったなし!」
「今後、何%まで上がると思うかい?」
さも経済通のような顔つきで話しかけられたので、その無根拠な自信の先を折らないように言葉を選びながら・・タヌはそっと教えてあげました。
「とりま給付金は毎月5万円ほどを十年くらい。消費税の税率は0%十年固定」
「永久に廃止でもいいんだよ」ってね。
普段からテレビを受信できる装置を持たないタヌキ一家ですので、放送されていた番組名などは分かりませんでしたが、目の前の『事情通』はどうやら日頃からこの手のメディアでの特訓が行き届いているらしく、
「何言ってんの?日本の未来も考えないで・・これ以上借金を増やすようなこと言ってどうすんの(ワロス)」
と、逆にもっとしっかりしないとだめだよってな感じでタヌをのぞき込んできました(汗)。
~どう説明しよう~
ブレトンウッズ体制から?
国の借金は政府の借金ってところから?
マネタリーベース?
ストック?フロー??
・・これを話したってたぶん無理。伝わらないだろう・・
そう考えたタヌはおじいさんにこう言ってあげました。
「借金って・・貸した側と借りた側がいると思いませんか?」
「それと一般的に借金には返済期限がありますよね?」って事で
「日本の借金って誰が誰に借りていて、いつまでに返せばいいの?」と。
おじいさんは「??」と少し考えてから・・
「そりゃ~企業やら外国に借りているんじゃないのかい??」
「期限は国債の返済期限だろ?(ちがうの??)」
ま、タヌとしては予想の範囲内の切り返しだったので・・続けて・・
「日本の対外純資産は300兆円以上!世界最高のお金持ち国家だよ♡」
「んで、最貧国家はアメリカね!対外純債務は1000兆円オーバーだよ。って事は借金の多さで言ったらアメリカの方が先につぶれるんだよね?」
「まして日本は基軸通貨の国。お金が無いのなら刷ればいいだけ♡何一つ問題ないよ。」
少し怒らせてしまうかもと、警戒していたタヌの予想を裏切るようにおじいさんは興味津々な顔つきで熱心に耳を傾けてくれていました。(ほっ)
~あとは流れるように会話が成立していきます~
『お金はただの取引(債務・債権)の記録だという事』
『発展途上国はインフラなどを整備したくても作る技術が無い。ノウハウも持たない。だから海外につくってもらうためにドルや円(基軸通貨)を稼がなければならない事。その国に魅力(原料・製品・観光など)が無ければ、永遠にお金の問題が付きまとってくるため借金をしてしまう。(←この借金はIMFなどの本当の借金であること)。お金の問題を解決しない限り技術国にインフラ整備などを依頼できない(やりづらい)事。だから発展途上国のまま推移するという事。篭脱け詐欺のAIIBのようなバスがいつまでも出発しない事(笑)。』などなど・・
この間約10分・・ひとしきり基本的な経済を教えてあげた後・・おじいさんは当然の疑問にぶち当たるのでした。
「じゃ~なんで日本は借金問題や消費税増税の話をしているんだよ(怒)」
ハイ今日一のいい質問!!
「海外に日本をたたき売るためだよ!」
領土も主権も経済もね。
「どゆこと?」
*お金なんか紙切れ。本当の国力は技術と供給能力!*
*日本人から、あるいは中小企業から『かね』を奪えば奪うほど、海外の資産家から見れば日本を安く買いたたける事。
*インバウンドなんかはその最たる政策。日本人は旅行に行けず、外国人から見たらデフレでお得感満載の日本旅行♡
*多国籍企業は人件費が抑制された市場で、自分たちに都合のいい法改正を迫り(大規模店舗法など)中小企業をつぶしまくれば、あとは奴隷型下請け企業のいっちょ上がり♡
*消費税が無かったころ・・現におじいさんの若いころは銀行は企業とともにあり、企業も労働者に福利厚生を手厚く施したり、労働者も企業とともに家族の様に栄えて行ってたでしょ・・
その他の社会保障費も今ほどの負担はなかったことなどを話していきました。
「そうだったな~そんな時代だったよ、昔は」
「でしょ!橋本と小泉で戻れなくなり20年以上が過ぎてしまった日本。」
「お金は供給能力の許す限り刷ればいいんだよ!そして使うの(←これ大事)」『国』も『企業』も『わたしたち』もね。
「国が率先してお金を使って見せるの!」
「不景気でお金が無いのなら配ればいいの!」
「消費を促すために消費税廃止なの!」
だから『財政出動!(速やかに地方から)』
だから『毎月5万円給付金!』
だから『消費税廃止!』
「うんうん」と聞いてくれたおじいさんでしたが、長年かけて染みついた癖なのでしょうか・・
やっぱりお金は有限でやみくもに使ってはならない貴重なもので、今の浪費の結果、将来世代に『つけ』を作りたくはないと思っているようでした。
タヌの『バラマキ・浪費型経済』に飛びつくには、もう少しの『勇気』が必要なようでした。
「お金が有限なら、ってかそもそも借金の総額と取り立て(債権)の総額は同じになるはずだよね?」
「誰かの借金は誰かの資産のはず。」
「じつは日本国民は日本政府にお金を貸している債権者なんだよ♡」
「その債権者から税などでお金を奪い、政府が借金返済にあてるってことは、私たちの資産がガンガン減っていくって事なんだよ!」
「え?国の借金は国民の借金なんじゃないの?」
一人当たり何百万円なんてテレビでよく言ってるけど・・
「だから、貸しているのが私たち国民の方♡」
「政府は仮に返せって言われたら「円」を印刷すればいいだけ(円建てだしね)。逆に増税などで国民の資産を奪っていき、緊縮財政を進めれば進めるほど『生産活動全体(GDP)』が減って、国民所得も減ってしまうでしょ?」
・・こんなやり取りが終わったタイミングでおじいさんの連れ合いがやってきて、タヌは無事に解放されることになりました(ヘトヘト)。
「また会ったらよろしくな!」
おじいさんのその声にめがけて・・タヌは最後に一言をそえました。
「テレビを見すぎたら馬鹿になるから気を付けてね!」
おじいさんは振り返ると苦笑いを浮かべながら会釈をし、そそくさとつれ合いさんの方へ歩いていきました。
あ~テレビはやめられないみたいだな~この世代の人にとっては、まだまだ影響力は保っているようだ・・
経済問題にかけられた『闇』を払拭するには・・まだまだ時間がかかりそう・・
そんなことを感じさせられた休憩所の一コマでした。おしまい。
備考
通常、国家というものはよほどの成長著しい発展途上国でもない限り、緩やかなインフレを保ちながら推移していきます(そもそもデフレにはならない)。
タヌのひいじいちゃんが活躍していたころは・・
『千円普請』という言葉があったらしく、「千円あればおよそ恥ずかしくない家が建てられる!」という意味で使われていたそうです。
今現在の家(戸建て)の相場を、仮に2000万~3000万円あたりに見積もった場合、明治初期から現在までのインフレ率は「20000~30000%」って事になります。
ちなみに明治のころは・・一銭(現在価値換算200円相当)・一円(現在価値換算2万円相当)でした。
「あんぱん」が一個一銭=(200円)
「そば」が一杯二銭=(400円)
「ピアノ」が750円=(1500万円)
ということは~『千円普請』を現在の価値に換算すると・・「約2000万円の家」という事になりますね。
明治時代の給料について見てみると・・
警察官は8~9円程度
工業技術者は20円前後
明治27年の公務員初任給が約50円
だったらしいです。
考察
あれ?我が国ってじつは確実にインフレを進めてきたんじゃないですかね~
それで・・何か別断困った事って起きたのでしょうか?
年に2万%を超えるハイパーインフレなら社会は混乱してしまうでしょうが、百年以上かけてのインフレならば何も問題は起こらなかった・・と思いませんか?
だって・・『お金』がただの債務と債権の記録なら、時が経てば経つほどその記録は市中(経済活動の場)に出回ってくるはずですよね♡
~ここまで理解が出来たなら後は簡単です!~
『デフレを20年以上続ける事なんて常識的にはできっこないんです!!』
わざとやらない限りはね!!怒
円を刷っても財政出動をせず経済現場に『お金』を回さない。
金融と結託し貸しはがしを加速させ企業の資金不足を誘発。
世界の賭博場(株式市場)に技術豊富な企業をなだれ込ませ。
法人税減税で『グローバル企業』の税負担を少なくし。
企業に刺さったストロー(株投資)で、短期的利益のみを海外投資家がおいしくいただく。
足りなくなった税収のすべてを~貧困者から富裕層まで~等しくかけられる消費への罰則 『消費税』で穴埋めしようとする。
その他もろもろありますが、『わざとインフレ抑制政策をやっている』と思われる、主たる原因だけでもざっとこんな風に挙がってきますね♡
これを20年以上もゴリゴリと進めれば・・そりゃ~『デフレ』になりますわ~
ちなみに人類の有史以来、『デフレ』をここまで長引かせた国家は我が国『日本』ただ一例しかありませんから(キリッ)。念のため。
奪われた所得の合計金額(がばがば理論値)
失われた約20年。
1997年頃から年平均2~3%の常識的なインフレ・経済成長を遂げていた場合・・
1997年の日本の平均年収が約470万円で、
20年後2017年の平均年収が約430万円(ガ~ン)。(数値はともに国税庁しらべ)
計算式
仮に年の平均インフレ率を2.5%と計算すると・・
20年×2.5%=50%
1997年の平均所得470万円を50%増収させると・・
470✖50%(0.5)=235(万円)
470+235=705万円
って事になります。
このほかにも当時は消費税が3%だったとか、扶養控除が厚かったりと負担はすくなかった半面、現在は消費税10%・住民税・社会保障費・復興税等々各種負担はばっちり加算されているので・・
1997年頃には可能だった消費は、(たとえ同じ額のお金が手元にあったとしても)現在の金銭感覚では賄いきれない(使えない)かもしれませんね(実質賃金・可処分所得の減少)。
ちなみに消費税率10%で年収が400~500万円世帯の一年間の消費税負担金額は・・
『約21万円』です。
国家的詐欺の進行
①わざと日本中から資金を引き揚げて
②わざと20年以上『デフレ政策』続けて
③わざわざ法人税は下げて
④わざとすべての穴埋めを『消費税増税』に置き換えようとする
家族単位の貧困化
①1997年は平均年収約470万円
②年に2~3%のインフレ達成するだけで、本来は2017年時点で約700万円の平均収入があったはず。(700万-470万=230万⇒20年間で年収換算約230万円の所得が奪われた計算)
③現実の推移は・・2017年の平均年収は約430万円(トホホ)
④その430万円も消費税率の引き上げなどにより『可処分所得(実際に使えるお金)』でみた場合、1997年よりさらに目減りしている。
私たちは20年間で年平均約230万円の所得が奪われ、さらにこの間の負担増で年間約30万円くらい可処分所得が削られていったとしたら・・
という事でザックリ結論!!
1997年時点から見た場合・・
現在の私たちは年間約260万円の所得が不当に搾取されたことになります。
だから、前出の「おじいさん」にタヌが提示した経済問題解決策・・
①給付金は一人毎月5万円⇒4人家族で月に20万円=年240万円の給付
②消費税0%⇒年間一世帯当たりの消費税負担金額21万円を可処分所得へ返還
これを最低10年やれば・・失われた20年で本来は手にしたはずの『所得』が半分くらい私たち日本国民の手元へ戻ってくる。
そんな思いから打ち出した解決案でした♡
あながち間違ってないと思うよ!
みなさんも日ごろから経済や税の事に少しだけ関心を寄せ、身の回りの「テレビなどによって訓練済みの方々」に、やさしく教えてあげられるように知識を高めていってくださいネ♡
日本を取り戻すのは結局・・「私たち国民一人一人の努力の結果」・・ですから。
注:ちなみにタヌの浸かっている温泉は天然100%のかけ流し・・泉質はちょっと特殊の奴です♥