画像説明:【今ではA型インフルエンザと呼ばれているそうです】100年前に思いを馳せるタヌキとネズミの図
100年前に大流行した「スペイン風邪」と比較してみよう
1918年~1920年にかけて世界規模で流行した伝染病(インフルエンザ・パンデミック)。
第一次世界大戦の末期:全世界を恐怖のどん底に陥れたH1N1新型インフルエンザウイルスは、最初期の感染拡大情報がスペインからもたらされたため通称スペイン風邪と呼ばれました。
- 感染者:世界の総人口の27~30%・約5億人
- 大流行期間:約3年
- 死者:全世界で5000万人以上
- 致死率:2.5%以上(諸説あり)
変異種を伴い大きく3波に分かれ全世界規模で流行しましたが約3年後には収束、毒性を弱めながら人類との共存関係を得て、現在ではおなじみの名称A型インフルエンザと呼ばれるようになっています。
いまだ終息を見ない「武漢発生ウイルス」と100年前の「スペイン風邪」との単純比較はできませんが、現時点では感染者・死亡者ともに(対スペイン風邪)低い水準で推移しているようです。
全世界 | スペイン風邪(カッコ内は日本) | 武漢発生ウイルス(カッコ内は日本) |
感染者数 | 約5億人(約2380万人) | 約1億8723万人(約82万4500人) |
流行期間 | 約3年 | 未知数 |
感染死亡者 | 5000万人以上(約39万人) | 約400万人(1万4978人) |
致死率 | 2.5%以上・諸説あり | 約2.2% |
注:スペイン風邪の流行は100年前です。当時と現在とでは衛生状況や医療技術も違っていますので、武漢発生ウイルスがスペイン風邪と比較し感染力や毒性が低いなどと誤解なさらないようにお願いします。
当時の日本でのスペイン風邪感染の推移
日本での「スペイン風邪」は、初期(第一波:1918年5月~)の感染者数が2000万人以上と、感染者全体の9割以上がこの期間に集中しました。しかし致死率的には1.2%(感染死亡者約27万人)と、他の流行期と比べると比較的低い水準で推移していたようです。
ですので、流行最初期は各種イベント開催や集会も規制されておらず、国の認識・対応も、新聞紙上でも比較的楽観的な観測が大半を占めていたようです(徐々に危険視される)。

しかし変異種流行による第二波(1919年9月~)到来時には、感染者こそ少なく推移したものの、その致死率は5.3%(感染死亡者約12万人)と跳ね上がり、社会的にも大混乱を迎えたそうです。
感染ルートとしては当然ですが当時の海外との玄関口、国際港を有する神戸・横浜が挙げられ、また修学旅行などで人が集まる京都、あるいは軍属の編成・入隊に伴う移動先や集団生活の現場で感染拡大が誘発されました。

興味深い情報としては、各都市ごとの感染症対策の違いによって事後が随分と違っていたそうで、重症化が叫ばれなかった最初期でも、いわゆる「三密」を避ける事、うがい手洗いを徹底する事を積極的に推奨していた地域は、その後の感染者が抑えられたとの報告があがっています。

やっぱり「三密」を避け、手洗いうがいをすることって、感染症予防に効果があるんですね!

当時は空港がそれほど無かったことから、感染者の広がりは海外との移動・物流の拠点、神戸・横浜等を中心に拡散したそうです。
やっぱり100年前でも水際対策は重要だったんだね~(遠い目)
ウイルスは日夜変異するそうです
現在と違い、100年前の世界にはウイルスに対抗するための特効薬もワクチンも存在すらしていませんでした。
にもかかわらず現在の私たちがスペイン風邪(A型インフルエンザ)をさほど恐れていない理由は、人類がスペイン風邪を克服したからではなく、ウイルス自体の”宿命”にこそ起因しています。
『ウイルスは日夜変異を繰り返し、その毒性を弱めようとも生き残ろうとする』
当時恐れられたスペイン風邪が現在のA型インフルエンザとしてさほどの警戒心が向けられなくなってきているのは、ひとえにウイルス自体が当初の毒性(致死率)を、変異を繰り返しながら自然と失っていったからに他ならないのです。
先ずはこの”大原則”を押さえておきましょう!
ワクチン接種は発症予防、感染後の重症化を防ぐ意味合いが強いそうです
次はワクチンについての基本事項をおさらいしておきましょう!

今現在日本人の多くが待ち望んでいる事。
それはいわゆる『コロナ禍』と呼ばれる環境下で味わっている、様々な”不安からの解放”なのではないでしょうか?
「最悪死亡するとされる怖い感染症にかかりたくない、出来れば重症化だけは避けたい」
「三密を避けたりマスク着用が叫ばれる生活はもうたくさんだ」
「元の世界(自由な移動・自由な経済活動)に早く戻りたい」
・・これらの願望(希望)が、多くの国民をワクチン接種へと誘っているようです。
その証拠に我が国ではワクチン接種の初動こそ遅れたものの、接種が始まるや否や各国が驚きの眼差しを向けるほどのスピードで接種回数が急増、令和3年7月13日現在ではすでに総人口比50%オーバーの約6200万回(内2回接種約2348万人)となっているそうです。(1日平均100万回以上のハイペース)

みなさん『コロナ禍』疲れで、もうヘトヘトなんでしょうね~
だから現時点では『コロナ禍』を終わらせることが出来ると信じられているワクチン接種に活路を見出しているのだと思われます。
厚労省のワクチンについての説明
では、今現在多くの国民が期待を寄せるワクチン接種には、いわれるほどの効果が本当にあるのでしょうか?
その方面に最も権威があるであろう厚労省が作成した「新型コロナワクチンについて」より、ワクチンの効果(発症予防、持続期間)について見てみましょう。

↓↓よ~く読んでみてね!
厚労省は正直に書いているから♥
Ⓠ日本で接種が進められている新型コロナワクチンにはどのような効果(発症予防、持続期間)がありますか。
Ⓐ日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、いずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。効果の持続期間や、感染を予防する効果についても、時間の経過や接種者数の増加に伴い、研究が進んでいます。
日本では現在、ファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネカ社のワクチンが薬事承認されており、うち、ファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンが、予防接種法における接種の対象となっています。
いずれのワクチンも、薬事承認前に、海外で発症予防効果を確認するための臨床試験が実施されており、ファイザー社のワクチンでは約95%、武田/モデルナ社のワクチンでは約94%の発症予防効果が確認されています。
重症化予防効果については、薬事承認前に行われた臨床試験では症例数が十分ではなく解釈に注意が必要ですが、実施された臨床試験や、承認後に実際に接種された人の情報を集めた研究等から、これらのワクチンの重症化予防効果を示唆する結果が報告されており、効果が期待されています。
感染を予防する効果については、ファイザー社、武田/モデルナ社、いずれも承認前の臨床試験では確認されていませんが、現在、多くの国又は地域でこれらのワクチンの接種が進められることでデータが蓄積されつつあります。一部の国で実施された研究では、ワクチンを接種した人の方が、接種していない人よりも感染者(有症者・無症候性感染者のいずれも)の発生が少ないことを示唆する結果が報告されています。なお、これらのデータは臨床試験と異なり、同じ条件の対照群を置くことが困難なこと等から、結果に偏り(バイアス)が生じやすいことに注意して解釈し、今後の様々な研究結果を見ていく必要があります。また、ワクチンの発症予防効果は100%ではないことを踏まえると、接種後も引き続き、感染対策を継続することが重要です。
効果の持続期間については、例えばファイザー社のワクチンの場合、海外で実施された臨床試験後の追跡調査の結果によると、2回目接種後6ヶ月の発症予防効果は91.3%であったという報告もあります。また、武田/モデルナ社のワクチンの場合、同様の調査において、2回目接種後6ヶ月の発症予防効果は90%以上と発表されています。今後も引き続き、集積される様々なデータを見ていく必要があります。
厚生労働省:新型コロナワクチンについて(新型コロナワクチンQ&A):引用2021/7/14

うん!さすが厚労省。正直にワクチンは・・
- 「薬事承認前臨床試験では約95%発症予防効果が確認されている」
- 「感染予防効果は確認されていない」(未確定)
- (症例数が不十分で解釈に注意が必要だが)「重症化予防効果は期待される」
- 「接種後も感染対策を継続することが重要」
- 「今後集積される様々なデータを見ていく必要あり」
って、しっかり事実を公表しているよね♥

もっと要約すると
- (現時点では)「感染予防効果無し」
- 「重症化予防効果はたぶんある」
- 「(2回目接種後)6ヶ月間までについては発症予防効果あり」
- 「今後を注視(研究待ち)」
って事らしいね。
気になる方は直接厚労省の当該ページに行ってみて!
いかがです?
みなさんのワクチンに対する(期待)イメージと、厚労省の正直なワクチンについての説明。
乖離や齟齬がありましたでしょうか?

もちろんすべて把握していたよ。
知った上で積極的に接種したいのさ!

あれ?
ワクチンを打てば感染しなくなって、マスクもいらない世の中が訪れるんじゃなかったの?
それに・・ワクチンの(確実な)有効期間がたったの6ヶ月?
何だか期待していたイメージと随分違うような・・
様々な感想があがってくるのでしょうが、いずれにせよ厚労省側は現時点までのワクチンに関する正確な情報提供を行っています。

TVや各種メディアで喧伝される内容、あるいは世間のうわさ話を真に受けて、個々人がワクチンに対する誤解を深めようともそれに関しては当然ですが厚労省側の責任ではありません。
ワクチンについての正しい知識を持っておかないと”今後への対処が厄介”となりますので、みなさんもしっかりとした機関の提示する正しい情報に触れていくようにと、オススメしておきます。

ね~ね~「今後への対処が厄介」って、厄介な事が起きるかもしれないって事なの?ニヤニヤ

そりゃ~厚労省だって、(ワクチンについて)
- 現時点では重篤な副反応は存在していない。
- 長期間での副反応の有無については集計・報告・評価体制を整えている(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会・これら審議会を頻繁に開く)って正直に告知しているわけだし、
- 発症予防効果は100%ではない
- 効果の継続期間は限定的かもしれない
って言ってる訳だから、(いわゆる)コロナ禍がワクチン接種によってのみ収束するなんて幻想は捨て去ったほうがいいだろうし、副作用(副反応)についても長期間のデータが蓄積されていくまでは”未知数”って事らしいから、油断は禁物なんじゃないのかね~
って事で、次回は『武漢ウイルスとスペイン風邪を比較しワクチン接種を考える:後編』と題し、スペイン風邪の推移から武漢発生ウイルスの今後を大胆に予想し、「ワクチン接種の是非」について考察してみたいと思います。
後編へ続く⏎


最後にご注意:本項は医師でも何でもないケモノがウイルスの歴史やワクチンについて調べた事を頑張って書いているだけです。
参考にするかどうかは”自己責任”でお願いしますね♥