画像出典:駐日ロシア連邦大使館:駐日ロシア大使 M.Yu.Galuzin による講演「現段階におけるロシアの外交政策」、2022 年 10 月 19 日(スクショ加工掲載)
ロシアは、なぜウクライナ侵攻を決断したのか?
ロシアとウクライナとの紛争・・いわゆる【ロ・ウ戦争】
- ロシア側から見れば【対ウクライナ特別軍事作戦】
- 自由主義陣営側から見れば【ロシアによるウクライナ侵攻】
- お花畑陣営からすれば【力による国境線の書き換えは許されない】?
戦争の名称については様々なれど、その動機をはかり知るには「当事者に直接聞いてみればいいじゃん♥」と至極単純に考えておりました。
しかし、どういった理由からか主にウクライナ(ゼ政権)側の言い分は世に氾濫しているのですが、肝心のロシア側の主張については随分と制約を受けているように思えるのです。
「みなさんも不思議に感じた事はありませんか?」(・∀・)ニヤニヤ
って事で、『日露の未来を考える第二部』。
今回は、ガルージン氏が語る「ロ・ウ戦争と特別軍事作戦の真相」をご紹介します。
注:当サイト的【ロ・ウ戦争】についての基本姿勢は、過去記事にて数多く取り上げていますので本記事では割愛させていただきます。(ご興味のある方は、当サイトトップページ⇒カテゴリー⇒ロシア・ウクライナ関連で検索)
ガルージン氏説明:ロ・ウ戦争と特別軍事作戦の真相
ガルージン氏から日本のみなさんに対する真相説明:ウクライナ問題・特別軍事作戦
(注:↑動画内ガルージン氏が語った発言を要約しています。詳しくは出典をご覧ください)
マイダン革命から特別軍事作戦までの概略説明
動画開始25分35秒より~
- 「2014年マイダン革命は、反ロシア政権を誕生させる為にNATO諸国やアメリカが仕組んだ暴力テロ行為でした」
悪いネズミ
嫡男:スラ
↓当時のロシア大使館からも「古より伝わる文化と偉大な歴史を持つ国が、米国とその植民地であるヨーロッパのあからさまな詐術に抗うことができなかったのは、非常に残念だ」ってコメントが寄せられてたんだよ。
27分30秒~
- 「少なくとも2014年マイダン革命以降から現在のゼ政権まで、マイダン革命結果を受け入れない東部ウクライナ&クリミア地域のロシア系住民に対し、8年間で3000人の犠牲者を出したジェノサイドが発生。あわせて以下の悲惨な行為が行われてきました」 (筆者注:ガルージン氏は犠牲者を3000人と語っていますが、実際は1万規模とも)
- 経済封鎖
- 脅し・迫害
- (テロリストによる)銃撃
- (ウクライナ空軍による)空爆
「ゼ政権はロシア系住民に対し、表向きは「自国民だ」と言っていますが、公の場で度々「ウクライナから出ていけ」と発言しています」
29分~
- 「ゼ政権は2022/3/8開始予定、『東部ウクライナに対する大攻勢』を計画していました。だからこそロシア政府は、(国家安全保障&ロシア系住民保護のため)2022/2/24の『対ウクライナ特別軍事作戦』を決断しなければならなかったのです」
- 筆者注:ゼ政権が企画したとする『東部ウクライナに対する大攻勢』については事実確認が出来ませんでした
ソ連崩壊・和平交渉・紛争突入・特別軍事作戦目的の説明
29分40秒~
- 「旧ソ連が崩壊した1991年以降、アメリカは「NATOの東方拡大はない」と口頭で散々説明していましたが、そのことごとくを反故としています」(NATO16カ国から、2022年には旧ソ連地域を含む30カ国に拡大)
- 「残念ながらロシアは、NATOやアメリカが行った過去の侵略行為や破壊的な軍事行動を忘れる事はありませんし、そのNATOがロシアの目前にまで迫っている脅威について黙認する事は出来ないのです。ウクライナのNATO加盟を認めるわけにはいかないのです」
- 「2014年以降、ロシア側は(アメリカの扇動によるウクライナの反ロ化&NATO拡大を阻止する為に)外交努力を欠かしませんでした。事実、この間何度もNATO(アメリカ)側と交渉を行い、ロシアは紛争回避に向けた条約案(2021/11)まで提出しています」
- ガルージン氏の説明する『ロシア条約案』の中身
- NATOをこれ以上拡大させないでほしい
- ウクライナをNATOに加盟させないでほしい
- ロシア・ウクライナ・NATO諸国との今後の関係は、欧州安全保障協力機構(OSCE)の精神に則り平和裏に決定したい
34分15秒~
- 「ロシア側の戦争回避に向けた努力の数々を、2022年1月、外交上大変無礼な形でゼ政権とNATO(アメリカ)は突き返し、無視しました」
- 「この結果、ロシア政府はゼ政権とNATO(アメリカ)には戦争を回避する意思がない事を確認しました」
- 「(2014年マイダン革命以降)そもそもロシアは東部ウクライナ2州の問題についても、ウクライナ統一国家のままでの問題解決を目指していました。だからこそ『2015年ミンスク合意』が為されていたのです」
- 補足:【ミンスク合意とは】・・ロシア・ドイツ・フランスが仲介国となり、ウクライナ政府とドネツク州・ルガンスク州との間での和平交渉を促す国際合意(2州独立を認めるものではなく、2州はあくまでもウクライナ国にとどまったまま①2州で選挙を実施②その結果次第では、高度な自治権を認める事を③ウクライナ政府の責任で履行させる)
37分25秒~
- 「ミンスク合意は、国連安保理においても(2015/2)全会一致で承認され、国際法の一部となっていました。しかし、ポロシェンコ&ゼレンスキー政権はミンスク合意を履行しようとしないどころか合意を”隠れ蓑”として、兵力増強のための時間稼ぎに利用したのです」
- 「ロシア側は様々な角度から、ウクライナの”ゼ政権”およびNATO(アメリカ)側の和平への熱意の無さ(むしろロシアを敵視する戦意)を感じ、国連憲章に謳われた自衛権の行使(特別軍事作戦)を決断せざるを得なかったのです」
- 「現ゼ政権は、東部ウクライナに住んでいるロシア系住民の権利を代表できる存在ではありません。『民族自決権』を含めた国連憲章違反が繰り返されています。ですから、ウクライナ国内のロシア系住民保護を目的の一つとする『対ウクライナ特別軍事作戦』は、国際法に照らし合わせても説得力があるのではないでしょうか?
- 「ミンスク合意でも明らかなように、ロシアはウクライナの領土が欲しいわけではないのです」
- ガルージン氏の説明する『特別軍事作戦』の主目的
- ロシア系住民の保護解放:東部2州のロシア系住民からの救出依頼あり
- 非武装化:NATO(アメリカ)からウクライナに供給される殺傷能力の高い兵器の持ち込み阻止
- NATO加盟阻止:ウクライナの中立化推進
- ウクライナのナチズム化阻止:現在ウクライナで英雄視される象徴は、かつてナチスに協力した人物
46分~
- 「2022年9月末、ウクライナ4州で行われた住民投票結果は、圧倒的多数で『ロシア領』になる事を歓迎・選択しています。選挙実施にはEU諸国から多くの監視団が参加し、国際的に合法な手続きで、平和裏に執り行われていました」
- 筆者注:↑赤線部分が十分な内容であったかの事実確認は出来ませんでした。
- 「ロシア側はこれからも和平に向けた交渉窓口を開いていきます。しかし、残念ながら今の段階ではNATO&アメリカ&ゼ政権からは和平交渉再開の熱意を感じる事は無いのです」(むしろ更なる制裁強化とプロパガンダの応酬があるのかも・・)
【参考過去記事:ブダペスト覚書・ミンスク合意など】
ウクライナ問題を考察1:革命と反故にされた合意内容
ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナ。我が国をはじめ世界中の国々から様々な支援や応援が届けられていますが、2014年のユーロ・マイダン革命以降、アメリカとイギリスはウクライナを切り捨てる事を決定しています。ブダペスト覚書不履行によって・・
みなさんの感じた印象は?
いかがでしょう?
ロシア側の公式な見解、みなさんにとって納得に足りるものだったでしょうか?それとも予想通り”トンデモ理論”だったでしょうか?
少なくとも、「ロシアの言い分など聞くまでもない!」とのスタンスを貫く大手メディア情報に触れていただけでは知り得ない事情もあったはずです。
「信じる信じない」の判断については、どうぞ個々人のお好みで。
ただ、様々な情報分析については、多角的な視点から寄せられる証拠類を、出来る限り隔たり無く集積、精査、裏取りしてこそ高い精度の分析結果が得られる・・はずですね。
少なくとも、
『国家ロシア』を代表する大使が、その在任中に流暢な日本語を駆使し、われわれ日本人に懸命に語り掛ける『熱意と紳士的態度』については、外交儀礼としても、一定の評価と敬意が示されてしかるべきだと思えるのです。
~日ロのより良き未来を見失わないためにも~
横行する偏向報道と、当サイト的雑感
『日露の未来を考える』と題し、2022年10月19日・「現段階におけるロシアの外交政策」ガルージン氏の冒頭発言内容を取り上げてきました。
筆者の受けた印象としては・・
(ガルージン氏は)「ほぼ事実に即した内容を語っている」と、結論付けておきたく思います。
例えば、英米(自由主義陣営)に属する大手メディアから聞こえてきた戦争動機分析や戦況分析を思い返すと、ほぼ一元的で、とんでもなく偏見に満ちたな内容ばかりだったと記憶しています。
大手メディア&御用知識人
- プーチンはボケている?
- プーチンはガン?
- プーチンは独裁者!!
- プーチンは核を使いたがっている!!
大手メディア&御用知識人
- ロシア軍は民間施設と民間人を標的にしている
- ロシア軍は旧式の武器しか持たない弱い軍隊だ
- ロシア軍はすでにボロボロ。だから撤退している
- ロシアの戦争目的はウクライナの領土と民族浄化。ウクライナの国家消滅を意図しているのだ~!!
大手メディア&御用知識人
- ウクライナは国家・国民が一丸となって祖国防衛に専念している
- 世界各国はウクライナ支援を表明し、勇気ある無償の義勇兵が続々とウクライナ軍に集結している
- ウクライナ軍は各地でロシア軍を撤退に追い込み、失った領地を続々と奪還している
- 英米から提供された最新兵器は恐ろしいほど高性能で、ロシア軍を散々に打ち負かしている
- ウクライナからの停戦(休戦)交渉の予定はない。なぜなら、戦いを優勢に進める側からの交渉は必要ないからである
- もはやロシア軍の崩壊は時間の問題。今後はウクライナ側が攻勢に出る番だ
妻
↑みなさんにとっても聞き覚えのあるフレーズばかりではなかったでしょうか?クスクス
しかし、
2014年・ウクライナクーデター『マイダン革命』の首謀者を知る者からすれば、NATO(アメリカ)の矛先がロシアに突き付けられてきた歴史事実を振り返るのは朝飯前。昨今、大手メディアが不自然なほどの「ロシア悪玉論」「ウクライナ善玉論」「アメリカ救世主論」を垂れ流せば垂れ流すほど、事の真相はむしろ「ガルージン氏の説明にあり」と、(世論に向かって)反論したくもなるのです。
悪いネズミ
あの時の親玉がバイデン政権の国務次官だよ!!
米民主党は戦争配達業者だよ・・
嫡男:スラ
おまけに不正選挙。
不正義の数え役満政権だからね・・まったく。
タヌキ
ま、すべての真相は・・
「盗賊団の獲物に御指名されたのが『ロシア』だった」って事さ。
まとめ
ロシア側の全ての言い分を「正しい」と言いたいわけではありません。
しかし、アメリカがゼ政権を誕生させ、それを疑似餌にロシアという獲物を戦場に引き込んだ「シナリオ」の存在を(将来の日ロ友好のためにも)告発しないわけにはいかないのです。
冷戦終結以降の『世界の紛争史』を紐解けば、そこには確かに英米を中心とした金融寡頭勢力の暗躍が見受けられ、米軍を中心兵力としたNATO軍が、実は圧倒的に加害者側であった歴史を思い知る事となるのです。
以上、
今回、ガルージン氏から頂いたウクライナ問題と特別軍事作戦に関する真相説明を参考に、日ロの将来を見据えた外交を考えつつ、是非とも国民一丸となっての国防を達成していきたいと願うものです。
続きは第三部にて・・